無料 アクセス解析RMT

2007年10月18日

平川地一丁目「闇世に生まれて」の新展開と模索

 8ヶ月ぶりの平川地一丁目のシングル。ということは、兄・龍之介が高校を卒業し東京にも住まいを構え、弟・直次郎が高校2年となり2度目の映画出演も決まってから初めての CD ということになる。

 ふたり別々の活動も増える中、新しい平川地の方向を探っているかのようなシングルだ。


 タイトル曲「闇世に生まれて」は、今までになくロック色が強い。龍之介が「時代」に対して強烈な挑戦状を突きつけている。臆病にならず、傷付けられても平気な顔をし続けるタフさを持ち、「ヤツラの思い通りに」ならずに「こんな時代の目を覚まさせてやれ」。


 ハードで厚い音作りは、平川地一丁目の守備範囲が広いことを感じさせ、たたみかけるように重なり合っていくメロディもなかなかにおいしい。龍之介のギターも小気味よく弾けていて、かなりの「修業」を経た腕前だとわかり、力強くテンポを作っている。

 重たいテーマをスピーディに歌い上げる展開が、今までになかったインパクトを持ってずしりと心に降りてくる。もちろんフォークという隠し味がちりばめられているから、それが心の中で穏やかに広がっていく。

 こむずかしい装飾を配して、一直線に、ぶちっと終わるエンディングまで聴かせ切るパワーは、ふたりの成長と、斬新なこれからの展開を予感させる。かなり好きな曲になりそうだ。


 でも、どうしても微妙なことがある。「闇世に生まれて」に込めた龍之介の、怒りにも近い「時代」への反抗は、直次郎と共有されているのだろうか? ヴォーカルに徹している直次郎が、心なしか無理をしているように感じてしまったのだ。声はその時のアーティストの気持ちも伝えてしまう。

 うーん、ぶっちゃけて言うと、直次郎は、いちばん大事なものが恋人だとわかったことをしみじみと歌うカップリングの「プロポーズ」の方が、しっくりと歌えているような気がする。

 もう1曲のカップリング「トマト」は龍之介がヴォーカルをとっているが、エレキギターも気持ち良く弾いているのがわかるし、彼のやりたい方向が分かる曲だ。このくらいのノリで歌ってほしいと直次郎に伝えているようでもある。


 これが杞憂であってほしいと願う。あるいは、新しい平川地一丁目への「過渡期」なのだと信じたい。兄弟だからこその対抗意識はあって当然だし、それは公式サイトの日記からも読み取れるけれど、きっと、このふたりならいい方向へ向かえるはずだから。



posted by さとる at 23:31| 平川地一丁目