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2011年05月29日

何も「信用」できないから自分で「希望」を探す

 「信用」「信頼」を築くのはなかなか難しく、できたと思っても、ちょっとしたことで簡単に崩れてしまうものだ。

 東京電力が福島第1原子力発電所に関するデータを隠していた、と言って、政府は怒っている。でも、その政府だって東電と共に、メルトダウンを隠したのではなかったか。


 3月11日の地震・津波から15日までに、3回の水素爆発があり、この5日間には相当量の放射性物質が放出されたと推定されている。この時、放射性物質の飛来予測(文部科学省がやっている Speedy)を公開していれば、首都圏でもムダな外出を避けるなど対策をとれて、外部・内部被ばくを相当防げたはずだ。なのに、いちばん放射性物質に注意を払わねばならない時期に、何の情報も与えられず、適切な対処が取れなかった。こんなことの連続で、政府や東京電力を信じろと言う方が無理だ。


 さらに、「安全です」「だいじょうぶです」という「風評」が、大量に流されている。甘い基準で野菜や魚介類の出荷をOKにして、それを心配すると「悪人」にされかねない雰囲気だ。本当に国民を大事にするのなら、東北・関東のほとんどの農水産物を国や県が買い取り、作る人も食べる人も放射性物質から保護すべきだ。

 「原子力発電がないと電気が足りなくなります」も「風評」だ。
▼SoftBankの孫氏が19自治体と連携し自然エネルギー協議会を設立したニュースも相変わらずちらっとふれるだけ▼福島県の東京電力広野火力発電所が7月中旬に運転再開のメドが立ったので、さらに揚水式発電を充実させれば、今年の夏は、原子力発電なしでも電力が足りる、というリアルな計算も、報道したのは東京新聞だけ……

 脱原発・反原発への動きも扱いが小さい。
▼スイスが脱原発にかじを取った記事も小さい▼山口県の知事が上関原子力発電所建設計画にいったんストップをかけたニュースも一部のメディアのみ▼静岡県の住民が浜岡原子力発電所の廃炉を求めて静岡地裁に提訴した記事も「さりげなく」出ているので見逃しそう……


 もう何もかもが「信用」「信頼」できない、と絶望的になる人が現われてもおかしくはない。「希望」あるニュースは目に留まりにくくされている。一方で、今起きている悲劇から何も感じない人が、原子力発電を推進していく。この国はもうダメかもしれない。


 5月27日の朝日新聞の投書欄に、「いっそのこと原発なんて全部爆発しちまえばいいんだ!」と叫んだ高校生のことが投稿されていた。福島市がこれだけ放射能が高いのに避難区域にならないのはおかしい、福島を避難区域にしたら新幹線を止めるなどして経済が回らなくなるからでしょう、つまり俺たちは経済活動の犠牲になって見殺しにされてる……ならもう1回ドカンとなっちまった方がすっきりする、というのがその理由だ。えらいさんたちはきっと、この高校生を理屈で説得しようとするんだろう。でもたぶんそれに意味はまるでない。その気持ちがわからない限り、どんな政策も有効性を持たないくらいこの発言はリアルな心情だと思うから。

 この闘いに勝てなかったら、きっと再び原子力発電所で大事故が起きて、日本は壊滅するだろう。私はそれを止めるのにどれだけのことができるだろうか。または逃げて生き延びてやろうか。答えはまだまだ先……なんだろうか。
posted by さとる at 17:24| 原子力発電