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2010年02月02日

大野靖之、新曲「ヒリヒリ」をひっさげて、走る

 大野靖之さんの実に2年ぶりのCDシングル「ヒリヒリ」が発売されて1週間が経った。いつもなら発売直後にすぐブログに記事を書いて応援してきたのだけれど、こんどばかりは気が重い。


 ホンネを綴っていいものかどうか、悩みに悩んでいたからだ。でも今、文章を書き出してしまった。


 「ヒリヒリ」は、シンガーソングライター大野靖之が、初めて詞も曲も他人に委ねた作品だ(コモリタミノルさん〜SMAPの「SHAKE」「らいおんハート」など代表曲多数)。こじゃれた音に彩られた、ドラマティックなバラード、失意の……たぶんガールフレンドに、自分に自信を持ってと優しく語りかけ、一緒に「未来を探そう」と歌い上げる。

 美しい曲だし、大野さんのヴォーカルも変わらず、くっきりとした輪郭をしっかりと持ち、その世界をきっちりと歌い切っている。

 でも私は、カップリングの大野靖之作詞・作曲の「Ring」の方がどうしても好きだ。いつも必ずメロディのどこかにひそんでいる、大野さんの根源的な、希望を捨てない明るさを象徴するような部分がこの曲にもあり、心を浮き立たせてくれる。「ヒリヒリ」よりやや肩の力が抜けた歌い方にも、ホッとする。


 しかし、今回のシングルが生まれるまでには、トータル・プロデューサーの存在がある。いま大量にメディアに露出している中で、そのプロデュースのなかみも多少伝わってくる。

 大野さんが方向性を見失っている中で、「最高のスタッフ」が「ヒリヒリ」を作り、それを大野さんが気に入って「歌いたいです!」となった、と(上記プロデューサーの話)。

 「Ring」についても、今までと違う女性像を描けと言われ(大野さんはず〜っと「ラブソング」「ラブソング」とスタッフに言われ続けてきた〜私はどうしてもそこに違和感を感じてしまうけれど)、女性の「冷たい」部分も想定しながら、テレビで聞いた「男性は過去に生きて、女性は未来に生きる」をコンセプトに、今までにないほど「一生懸命努力して」書いた曲だという。「降ってきた」曲ではない、と言う(大野さんのインタビューコメントから)。


 つまり、善かれ悪しかれ、今回のシングルを売るためのチームが作られ、たくさんの人たちが大野さんのために動き、たくさんのメディア露出を実現させ、いままさに人気を拡大しようとしているところなのだ。そして大野さんも、そのチームの一員として気合いを入れて「闘って」いる。

 これはこの業界では当たり前のことであり、それをやってもらえた大野さんは幸福だといえるかも知れない。しかし私は、ならば「もっともっとヒット性の高い曲を!」と思わずにはいられない。

 コモリタミノルさんの曲は私もたくさん聴いていて、大好きな曲も少なくない。でもだから、もっとポップで、覚えやすいサビや、忘れられないメロディ満載の、「もうこれがヒットしなかったら何がヒットする」というくらいの曲を書いてほしかった。私が「Ring」の方が好きだと思わないくらいの曲を。


 私の意見は少数意見かもしれない。でもいまのヒットチャートを駆け登って行ける曲として、「ヒリヒリ」は微妙に違う気がする。割り切ってヒットを狙うには、プロデュースの方向が少し違う気がする。割り切ったっていいのだ。でも、ならば確実に結果を出せる曲が欲しかった、と言っているだけだ。

 私のこんな予想が外れてくれるとうれしい。大野さんは、各メディアのインタビューや出演の中で、何度同じことを尋ねられても、丁寧に答えている。私にも似た経験があるけれども、同じ話を新鮮さを失わずに何度もする、というのは、生やさしいことではないし、自分も疲弊して行く。

 大野さんがそんな苦しいプロモーションに耐え、見事に突き抜けて、メジャーになる、そんなストーリーが待っていてほしいのだけれど。ちょっぴり不安でもある。2月12日のライブで、その未来がすこ〜し見えるにちがいない。
posted by さとる at 13:23| 大野靖之