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2009年05月13日

剛紫 the ファンカフル・シンガーソングライター[前編]

 5月12日、若いマイミクさんと一緒に、東京JCBホールでの剛紫(堂本剛の新プロジェクト)ライブに行って来た。剛紫としての初アルバム『美我空』(「びがく」と読む)が地味だったので、どんなライブになるか実は少し不安だったのだけれど、そんな心配を「静かに」「きっぱりと」吹き飛ばすライブだった。


 アルバムの内容から言って、当然バラードが中心になるけれど、曲間に、ギター・アコースティックギター・キーボード・ドラムスのファンキーな演奏をはさみ、メリハリを巧みに付けて飽きさせない。

 中盤の聴かせどころでは、曲の意味を説明した後、キーボードだけで「綴る」「歴史」を歌い上げる。このあたりは歌い方も「シンガーソングライター」風で、ファンクやロックは背景に遠ざかる。

 そして相変わらずの声質。音を薄くしたアレンジが多かったので、たっぷりその声の魅力を堪能することができた。


 特に変わったな、と思ったのはMC。ほとんどジョークもオーディエンスへのくすぐりもなく、静かに語る。


 他人に指図されない、自分の生き方をしたいし、してほしい。自分らしく生きようとすると周りにいろいろ言われてしまうけれど、人生一度きり。それを人にとやかく言われる筋合いはない。一人ひとりが、自分らしい、自分の「美しい空」=「美我空」を持とう、それを世界に広げていこう。

 フェイクはいやだ。今まで何とか「ありのままの自分」であろうとしてきた。でも「ありのまま」で語っていくのは困難をきわめた。やっと今この場で、こういうライブで、「ありのままの自分」でみなさんの前に立って表現できるようになった。好きな人や愛する人の前で、フェイクで向き合いたくなんかない!

 アーティストには責任があって、メディアやCDで自己表現しているのだから、「ありのまま」に生きなければ、未来を担う世代に申し訳がない、お手本として自分らしくリアルに生きていかねば……。


 こんな彼の言葉を並べると、「熱く」語ってるように見えるかもしれない。でも堂本剛は今までのライブの中でも、もっとも落ち着いて穏やかに静かにこれらの言葉を紡いでいた。

 自分でも「説法してるわけじゃないんだけど」なんて突っ込んだり、「熱くならない」ドリンク飲んできたんだけどなんて言っていたくらいだ。

 私は、その言葉たちにフェイクはないと感じ、彼のハートから直接響いてくる「気」を受け取った。


 おまけに今回は、アリーナのいちばん前のブロックがあたり、ライブじゅう半径5メートル以内に彼の姿をとらえることができた。今まで参戦した中でもっとも距離が近かった。

 表情も見えるし、彼がまとっている「気」もまっすぐに届く。だからなおさらだったかもしれない。


 ただ、余談になるが、スタンディングで、チケットの番号順に入っていって場所をとるシステムなので、入場したらもう身動きが取れない。拍手したり手をあげたりして盛り上がるのもほとんど不可能な密集ぶり。そして周りは女性のみなので、下手に手を動かすと誤解されかねないから、気を使いまくった。

 そしてライブはタイムリミットまで3時間15分! 待ち時間と合わせて4時間たちっ放し。21歳のマイミクさんもさすがに疲れていたほどだから、足がどうにかなってしまいそうだった。特にバラードなんかは、座ってじっくり聴きたかったな。でもそれを上回る癒しをもらえたから、ま、いいか。


 そしてこのライブのすごいところは、アンコールが30分以上あり「第2部」といっていいくらいの構成だったこと。シングル「空」を「詠唱」(と呼びたい荘厳さだった)した後、時間が許す限り続ける、と宣言して、バンドメンバーとセッションを続けた。

 ダメだし(「もう時間」)が出ても、さらに1曲やるサービスぶり。バンドメンバー一人ひとりに独奏(独唱)させ、あるいはからみ、ギター持ちながら片手ロンダート(バク転に似たもの)をやったり。ただ、それでも、以前のようにテンションを高めきるほどではなく、抑え気味。この変化は大きい。(さすがに眠いので、明日につづく)