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2009年04月02日

桑田佳祐「ひとり紅白歌合戦」を聴くっきゃないよ!

 仕事のキャンセルなどで、久しぶりに時間が出来て、桑田佳祐「昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦」(昨年末に行われたエイズと闘うためのチャリティライブ)の DVD を見た。楽しいのなんのって、3時間がまさにあっという間だった。


 なにしろ桑田佳祐ひとりで、1960年代〜70年代のヒット曲を中心に、61曲を歌いまくるのだから、そのタフさにも驚くし、それぞれ原曲の歌い手の真似を入れたり、演出も凝っているから、きわめて楽しい。

 「魅せられて」では、ジュディ・オングのような(今なら紅白の小林幸子のような)広げると身体の面積が4〜5倍になる衣装で登場し、「長崎は今日も雨だった」では、内山田洋とクール・ファイブの6人全員に扮して合成画像でスクリーンに現れる。こんな仕掛けが満載で面白くないはずがない。


 でももっともすごいと思うのは、演歌も歌謡曲もフォークもアイドルソングもロックも、桑田佳祐が自分のの歌に消化して、見事に歌いきることだ。これだけの各ジャンルのヒット曲を全て歌って、聴きごたえを感じさせられるシンガーが今、他にいるだろうか? どうしても思いつかない。

 そして桑田の表情を見ていると、何だかとっても楽しそうだ。そして一曲一曲に愛情を込めて歌っているのがわかる。それぞれの曲の持ち味をしっかり理解し、それぞれの曲の世界をよく理解し、それぞれの曲のメッセージを(彼なりのアレンジはあっても)確実に伝えている。

 ひとことで言えば、ヒット曲に対するリスペクトがあるのだ。ヒット曲だからとバカにしてはいけない、多くの人に親しまれたのにはちゃんと訳がある、たくさんの人の胸に刻まれたヒット曲たちが、また新しい音楽と、そして夢と希望を生み出していく……そんなメッセージが流れているように感じた(実際それに近いことが言われた)。


 ひるがえって、今活躍しているアーティスト、特にシンガーソングライターやロックバンドたちは、過去のヒット曲をいっぱい聴いているだろうか。とても心もとない。自分の好きなアーティストしか聴かず、ヒット曲はバカにしているアーティストもいたりする。

 しかし私は思う。たくさんのヒット曲を聴くことは、必ず自身の曲作りに役に立つことを。たくさんの優れたメロディやリズムやアレンジが頭の中にたまっていくことが、必ず自分の音楽の引き出しを増やすことにつながると思う。


 この DVD は、80年代以降あるいは90年代以降のヒット曲しか知らないよ、と過去のヒット曲には見向きもしない人にも勧めたい。桑田によって新しい生命を吹き込まれたヒット曲たちから必ず感じるものがあるだろうし、その中にはただ楽しいだけでなくて、人生についてのいろいろなヒントもつまっているのだから。

posted by さとる at 15:20| 私を支える歌