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2008年11月27日

w-inds.「Everyday/CAN'T GET BACK」の余裕と美しいセンス

 w-inds. の新曲は「Everyday/CAN'T GET BACK」は会心の出来だ。


 最近「シングル」なのに、タイトルを「A/B」として、2曲をプッシュする場合が多い。裏事情的に言えば、どちらを押すか迷ったり、タイアップとの微妙な関係で「面倒だから」2曲をタイトルにしてしまう場合も少なくない。

 しかし今回の w-inds. のこのカップリングは、古い言い方で言えば正真正銘の「両A面」、それぞれをシングルとして発売してもいいくらいのスグレモノだ。

 さらに、その2曲がダンサブルなものとバラードと、対照的な曲調で、w-inds. の魅力をじゅうにぶんに引き出しているとくれば、完ぺきな構成だ。それぞれの PV を別々の DVD にして2種類の初回限定盤に付け、さらに通常盤も含めて3種類もファンに買わせようという戦略がセコいという点を除けば。


 「CAN'T GET BACK」はライブで聴いた時よりは、ゆるめの編曲になっていて、ミッドテンポと言った方がいいかもしれない。

 しっとりとしたシンセ音のイントロから始まって、サビまでじっくりとしかし着実に盛り上がっていく。そのテンポが、人間のこころの波長に妙に合っていて気持ちがいい。

 そしてポップで印象的なサビ。微妙に作られた、サビまでの部分との段差がサビを際立たせ、曲想に私たちを引き込む。3人のコンビネーション、ことばたちのきれいな乱舞も抜群だ。失恋の激しい気持ちがくっきりと鮮烈に表現されている。


 キーボードに乗せてささやくように始まる「Everyday」。バラードにありがちな単調さが全くなく、どの部分をとってもメロディがおいしい。

 「ふたりはもっと笑って」、愛を握って、たくさんの色で空に自由に描きたいように虹を描く……。4回くり返されるサビが、直感的にハートを刺激し、覚えやすくて忘れにくい、いい意味での「ひっかかり」がある仕上がりになっているのが心憎い。

 特に最後のサビは、少し間を置いて、たくさんのエネルギーを内包して放たれる。静かに穏やかに、私たちの心の底に隠れている「やる気」を引き出すかのように。


 2曲を合わせて聴くと、歌唱にまた一段と自信を持った3人が見えてくる。「余裕」が微妙なところまで表現できるちからを湧き出させている。本当に美しいシングルだ。



 実はここまでの感想を私は CD なしで書いている。昨日水曜日も買えなかったのだ。今日は事務所での仕事。その合間をぬって、車で買い物に行くついでに、ヤマダ電機と TSUTAYA に行ってみたが、どちらも2種類ある初回限定盤のうちの片方が1枚あるだけ。

 この2曲の他に、さらに2曲の新曲(これがまたいいという噂なので)が入った通常盤が欲しい私としては困り果ててしまった。TSUTAYA に至っては「通常盤はないんじゃないですか」と店員に言われて切れそうになった。

 それで、今はネットで試聴できるシステムが多様にあるのを利用して(歌詞も検索できる)、2曲を聴き込み、これを書いている次第なのだ。


 要は、今の CD の売り方のシステムでは、多種類販売をすると、在庫管理も面倒だし、ディスプレイする場所も取るし、どれが売れるかを見極めるのも大変だし、結局初めは利益率の高い初回限定盤を少なめに取っておいて売り切り、後から通常盤を1枚「常備」として置いておく、という体制になっているのだろう。

 w-inds. がもっともっと売れれば、売り切れないように注文をするようになる……というのは確かなのだけれど、多種類販売がかえって、小売店の仕事を増やして小売店から CD を売る意欲をそぎ落とし、ファンのニーズにも応えられていないということになるのではないか。

 あえて言うけれども、単純にアーティストと曲名を言えばシングルが買えた時代がなつかしい。多種類販売で同じ曲が重複するのではなく、商品そのものを多様化して選べるようにした方が、結果的には音楽産業とファンの関係が良くなって未来が見えてくるのではないだろうか。


 というわけで、私はいつ通常盤を買えるのだろう。ネット上でもすでに品切れで、入荷に1週間、なんてとこばかりだ。レコード会社の出荷のし方にも問題があるのかもしれない。

 そんなわけで、この続き、つまりこの2曲にカップリングされている曲の話がいつ書けるかもわからない。でも、必ず書くつもりなので。

posted by さとる at 00:05| w-inds.