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2008年11月22日

再び電車の中で

 まじめに仕事をしても、経済危機で相応の賃金が得られない。派遣ですぐ仕事先が変わると、能力をじゅうぶんに発揮する時間もない。いよいよ仕事そのものもなくなってきて、景気のいい業界はひとつもない。


 そんな経済状況の中に、さまざまな事件や、昨日も書いた「物言えぬ」社会の雰囲気が加わると、みんなストレスを感じてイライラするのも当然のことだ。

 駅でも、街路でも、店舗やビルの中でも、みんな血相変えて走っていく。私は最近、大都会を歩くことだけでも「こわさ」を感じる。コミュニケーションなど全くないまま、人と人とが、マイナスの「気」を発しながら、火花をショートさせるようにすれ違っていく。


 先日、メトロ東西線(首都圏の東西を走る地下鉄)の満員電車に乗った(正確には乗らざるを得なかった)。私のとなりにいた小太りの中年(にさしかかったくらいの)男性は、めっちゃ混んでいるのに、ゲーム機を出してゲームを始めた。

 ゲーム機はそこそこの大きさがあり、満員電車の中では、そのスペースを取ることを遠慮するのがふつうだと感じられるものだった。しかしその男性は堂々とゲーム機を広げ、このゲーム機に触れるなよ、という「気」を発しながら、一心に画面に見入っていた。

 隣りの私としては、苦しい体勢で、その男性のゲーム機に触れないように立っているのに、かなりの工夫とエネルギーを要した。私の身体が触れたら、怒り出すかもしれない迫力でゲームをやっていたので、気を使いまくった。その男性の顔が正面にある私の立ち位置もなかなかにきつかった。


 それから約20分、私が降りる駅が近づいてくる。その男性は、開く側のドアの真ん中でドアにもたれて相変わらずゲーム機をいじっている。このまま続けると、私が駅に降りられなくなるかもしれない……いや待てよ、その前に彼が背中からホームへ落ちることになるか……どうしよう……。

 駅が近づいてきて彼がちらりと外を見た。ホッ。これでゲームをやめるか……と思いきや止めない。電車はホームへと滑り込んでいく。どうなるんだ!

 電車が駅について、ドアが開いたその瞬間、彼は離れ業のように、ゲーム機を手にしたまま姿勢をくるりと反転させ、駅に降りる……やいなや猛然とダッシュしてエスカレーターを駆け上がり、乗換改札口の方へ消えていった。あぜんとする私。その後、やるせない気持ちになった。


 急に寒くなって私も風邪気味だ。電車内でも、咳をしたり、のどを痛そうにしたり、鼻水をすすったりする人が目立つ。しかし、ほとんどの人がマスクをしていない。平然と咳をしっぱなしで乗っている。

 これでは風邪を周りにばらまいているようなものではないか。私は以前から、こんな時の予防策として、つまり電車で風邪を移されないように、風邪を引いてなくてもこの季節にはマスクをするようにしている。

 これも変な話で、風邪をひいている人がマスクをせず、ひいていない人が風邪から身を守るためにマスクをする。この傍若無人さは、やはり現代のものだと思う。


 電車内で見たり感じたりする風景が、私の「気」をどんどん悪化させるようになってきた。それはきっと、マナーというよりは、社会のストレスの反映なのだろうか。私たちはどこへいくのか、丸い地球の水平線の先に「何かがきっと待っている」のだろうか?

posted by さとる at 23:37| 理不尽なこと