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2008年08月26日

最後のフォークデュオ・平川地一丁目

 平川地一丁目が解散した。最後のライブが8月23日に東京であったのだけれど、私は、公開セミナー「ひょっこりひょうたん島の魅力を語る」の司会の仕事があり、泣く泣く参加を断念した。

 ライブの報告を読むと、ふたりはマイペースで、解散するとは思えないくらい自然体だったらしい。


 そうかもしれない。もともと兄・龍之介が弟・直次郎を半ば強引に誘ってデュオを作り、直次郎の声変りとか、この1年くらいはふたりの将来設計のずれとか、しんどい課題をいつも背負ってここまで来たわけで、やっと再スタート地点に立てた、という解放感がふたりにはあるのかもしれない。

 それは頭では理解できる。龍之介は、ひとりで音楽を好きにやっていき、直次郎は「フツーの男の子」へ戻る。その選択は間違っていない。たとえふたりとも背負わざるを得ない「平川地一丁目」の看板の呪縛にしばらく悩むだろうとしても。


 どんなに魅力があったとしても、どんなにファンが続けてほしいと思ったとしても、アーティストは自分の道を歩むしかない。このふたりの再結成はまずないだろう。ファンであり続けるっていうのは、けっこうしんどいことなのだ。

 そしてもう平川地一丁目が聴けなくても、見られなくても、活動した5年ちょっとの軌跡は、私たちの心にしっかりと残る。CD や DVDもある。ファンであり続けるっていうのは、けっこう楽しいことでもあるのだ。


 だから最後のシングル「Tokyo」は「最後」だと思って聴くから、どうしても悲しい。おまけにデビュー曲のセルフカバーだ。龍之介のギターも、直次郎のヴォーカルもめっちゃうまくなっているだけに、なおせつない。

 60〜70年代のフォークをここまで消化して21世紀ヴァージョンとして表現できるバンド(デュオ/ソロ)は、もう現れない気さえする。平川地一丁目は、フォーク誕生時の「気」をまとった音楽を創造できるぎりぎり最後のタイミングで J-POP シーンに登場したのだ。

 ありがとう。それしか言えないよね。しばらく CD を聴けないくらい苦しいけど、優しく清らかな音楽を、本当にありがとう。

posted by さとる at 01:14| 平川地一丁目