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2008年07月19日

大野靖之、NHK(首都圏ローカル)にナマ出演、すごい存在感!

 抜群にすがすがしい登場だった。NHK(首都圏ローカル)「こんにちは いっと6けん」に、大野靖之さんが11時33分から20分間ナマで出演した(7月18日)。録画で見たのだけれど、見た後、気持ちがとっても穏やかになり、彼が出す「気」から「希望」を受け取ることができた。


 その20分間を追う。

 石井麻由子アナウンサーの司会は、ほどよく抑制が効いていて、それでもホンネもちらほらさりげなく出す、安心できて好感の持てる進行だった。大野さんは終始「シンガーソングライター」として紹介される。

 学校ライブの話から始まる。「歌う道徳講師」というフレーズが1度も出てこないのがいい(ワイドショーでは妙にこれが「あおり文句」になってしまう)。子どもたちに影響を与えたい、使命感を持っている、という大野さんの語り口も決して肩ひじなど張っていないから、素直にうなずける。


 石井アナの「とまどいもあったでしょう」に対しては、知らない人間同士が出会うのだからお互い緊張して当たり前なので「心の距離を縮める作業から入って行く」、そして学校ごとに雰囲気が違うので大変なことが語られる。

 でもとても楽しいことで、また「楽しい気持ちがないと伝わらない」と話したところで、1曲目「頑張れなんて言えないよ」。大野さんを支えてきた人のひとり、ギタリストの後藤康二さんがきちんと紹介されたのもうれしい。

 石井アナの感想。「のびのある声で、歌詞の内容が胸にしみいる感じがしました、ステキでした」。かなりホンネに聞こえた。


 続いて「頑張れなんて言えないよ」のコンセプトについて。「『頑張れ』が励ましになる時もあるけれど、人によっては、これ以上頑張らなきゃいけないのかと負担になる。その人が今まで頑張っていたことを認めて伝えることが大事だと思って」。

 子どもたちの反応はと問われて、自分自身や友だちに照らし合わせたりして、それぞれいろんな受け止め方をしてくれる、いっぱいいっぱいになってる子どもが泣いてくれたりもする、「それぞれの生き方を尊重できるようになったらいいな」と。

 こうした言い回しが、実際に300回以上学校ライブをしている実践に裏打ちされて、全くウソくさくないところがすごい。ポリシーをこれだけきちっと語れるアーティストは今どのくらいいるだろうか。


 ここで学校ライブを取材した VTR が入る。子どもたちの夢を尋ねることと母親の話とが、必ず入ることが説明される。「22歳のひとり言」が流れ、泣いている生徒も映る。心に残った言葉は、というインタビューに「夢は信じていれば必ずかなう」を上げた子がいた。

 スタジオに戻ると石井アナが「子どもたちの胸に届いてますね」。この言葉に対する大野さんのリアクションに感心した。「だといいですけどね」。この謙虚さが大野さんを支えているのだ。

 「いろんな顔、いろんな表情をを見せてくれるとうれしいです。それを(生み出すようなことを)発信できているのもうれしい。見てて感動しますね」。大野さんの素直すぎるくらいの感想に日常でささくれた心がホッとする。


 さらに、子どもたちの感想にはいろんなヒントがあり、みんなもヒントにする必要がある、と指摘し、「自分のやってることが意味かあると信ずる気持ちが強くなる」。

 石井アナは「曲づくりのヒントにもなりますか」とうまく話題を転換する。もちろんなるという話から、思いついた言葉は携帯にメモする、なんて話も聞ける。


 この後はシンガーソングライターになるまでの道のり。それにしてもインタビューの構成が優れているし、ゆったりと話しているので、じっくりと聴ける。大野さんもじっくりと語る。

 目立ちたがりだった→中2で尾崎豊を聴いて衝撃を受け「この道でいくしかないと」→「いろんな人がほめてくれるのがうれしくて、向いてるかも知れないという気持ちが強くなる」→高校でクラシック学びつつシンガーソングライターになろうと決意。

 ここで「応援してくれたのがお母さん」と石井アナに振られる。ここからの大野さんの言葉たちがまた輝く。


 「母が病気になって亡くなって、いのちのことを考えるようになった」し、「いろんなチャンスや経験を与えてくれた」。母親は「厳しくて怒りっぽくて、喜怒哀楽が激しくて、人間の持ってる感情を出し切ったんじゃないか」と。

 「18年間の付き合いでしたけど、一生分の教育をしてくれたんじゃないかな」。うーん、この言葉はすごすぎる。一時母親や家族とのかかわりを歌った「22歳のひとり言」を封印しようかと思っていた時の大野さんより、ひとまわりもふたまわりも大きくなった大野さんがいて、頼もしかった、うれしかった。

 石井アナの反応が興味深かった。「こんなにカッコいいかわいい男の子を残して亡くなっていったお母さんの気持ちを思うと切ない」。その後、「お母さんが亡くなる時『やっちゃんの歌が聴きたい』と最後に言ったとか」と石井アナが話したのに対して大野さんは「ここは腹くくって、一生、人生かけて、歌い続けなくちゃ、と思った」。


 重たい話も、感動を無理やり引き出すようなあおり方などなく、淡々とふたりで話されたのがかえって印象的だ。

 路上ライブ→ライブハウス→病院や児童養護施設のボランティア訪問→学校ライブ→メジャーデビュー、と軌跡が簡単にたどられて、大野さんは「今、音楽に満ちあふれた生活ができているので幸せです」とうれしそうに言った。

 ここで2曲目の「心のノート」。後藤さんのギターに乗って、緊張感あふれる引きしまった歌唱。歌い終わった時の険しい表情が強烈だった。大野さんは、ホッとする前にどんな想いでいたのだろうか。


 うれしいことにまだ話は続く。「次の目標は」「紅白に出場することです。300校すべてで子どもたちに言ってきたので、子どもたちに嘘をつくわけに行かないし、約束は守らないと」。

 大野さんの歌で癒された、というメールが読まれ、9月28日のライブが告知される。この告知の時「本業はミュージシャンなんで」と笑って言った大野さんのセンス、好きだなぁ。


 石井アナの最後の質問は「これからどんな歌を歌っていきたいですか」。大野さんはここでもしっかりと決める。「世代を超え、大人から子どもまで、たくさんの人に親しまれる歌手でありたいです」。拍手だ。

 石井アナはそれを受けて「本当にステキな歌声、私も心にしみて、このステキなルックスから紡ぎ出されるからまたぐっと来るものがある……。身体に気を付けて、いい歌手になってください」。

 説明は不要だろう。間違いなく石井アナもファンになった感じ。ワイドショーのあわただしい展開でもなく、ドキュメンタリーのような他者が切り取ってきた大野さんではなく、「大野靖之」自身が、落ち着いて自然体で語りかける……「伝わる」理想的な番組に思えた。


 この番組が全国放送であったらなぁ、と思わずにはいられない。地球の未来にどうしても必要な人だ。着実に夢へと歩んでいく彼に、今日もエンパワーされた。

posted by さとる at 00:03| 大野靖之