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2008年06月12日

「ドラマはドラマ」なんて言ってる場合じゃない[木村拓哉「CHANGE」が気になる]

 例によって録画していた「CHANGE」(フジテレビ系・木村拓哉主演)をやっと見た。今回はキムタク演じる朝倉啓太総理大臣が、びっくりするような名言を届けてくれた。


 米国が、日米構造協議で、今まで以上に米国産の穀物を買えと迫ってくる。来日中の米国の通商代表ビンガムは、官僚や担当大臣との会議ではダメだ、と休日を楽しもうとしていた朝倉のところへ通訳と共に直接乗り込んでくる。

 途中のプロセスも大事なのだけれど、少しはしょって、ビンガムとの会談に応じた朝倉は、きっぱりと米国の要求を否定する。「米国と日本がケンカになってもいいのか」気色ばむビンガムに対して、朝倉は次のように述べる。


 小学校教師をしていた時、子どもたちの間でケンカやいじめがよくあった、その時に自分が話したことは、まず話し合うこと、それも仲良くなるためではなく、相手との違いを知るためだ。

 みんな自分と同じだと思っているから、ささいな違いが気になって、ケンカやいじめになる。もともと違うと思っていれば、違いを前提にして話を進めて、折り合うことができる。

 国と国とも同じではないか。違って当たり前、だから自分の側の主張を押し付けるのではなく、お互いに言いたいことを言う場を設けよう……。


 信じがたいくらいまっとうな議論だ。自分を知る→周囲と自分が違うことを知る→相手の存在を認めいっしょに生きていく気持ちの前提にする、というプロセスは、人と人とが関係を創っていく時の基本だ。

 こんなセリフを書いた脚本家に感心するとともに、現実の政治の世界が、いかに人間存在の基本を忘れているかがあぶり出されて、暗い気分になる。


 でもこのドラマをみんなどう観ているのだろうか。キムタクの演技がどう、「ごくせん」との視聴率争いがどう、ドラマのストーリーに関係した記事や評論はきわめて少ない。「しょせんドラマだ」「ドラマはドラマでしかない」から現実とリンクさせないで楽しめればいい、という声もよく聞く。

 確かに現実的に朝倉のような総理大臣が現れるとはとても思えないくらい、日本の政治の世界は閉鎖的で、国民に顔を向けていないし、米国の言いなりでポリシーを感じられない。だから「CHANGE」を観ても、決してスカッとするわけではなく、どちらかというと落ち込む。

 いま私たちは、どんなポリシーを持って生きていくのか。政治のことだって考えずにすむはずはない。だったら、演技のうまい下手や視聴率とかを趣味的に論じたり、バラエティのようにストレス解消の道具にしたりしてしまうのではなく、ドラマから何を想い行動に移すのか、まで考えた方がいいのではないだろうか。


 私たちは、まだ間に合うかもしれないのだから。

posted by さとる at 00:00| 理不尽なこと