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2008年05月12日

taspo(タスポ)の悲劇

 未成年者の喫煙を抑えるために導入された、成人識別カード・taspo が思わぬ波紋を呼んでいる(このカードがないと自販機でタバコを買えない。taspo については3月12日の記事を参照←クリック)。


 まず taspo を持つ人が増えない。4月27日現在で、導入された県(7月までに全国化)の喫煙人口の約12%しか持っていないという。何しろ申し込むには、顔写真と書類を郵送しなければならないのだから、面倒なことこの上ない。


 [その影響・1]
 コンビニ各社でタバコの売り上げが大幅に伸びている。最初に(3月)先行導入された宮崎県・鹿児島県では、1ヶ月でどのコンビニでもタバコの売り上げが2倍に伸びた。逆に自販機売り上げは3〜4割落ち込んだ。

 [その影響・2]
 自販機がものすごい勢いで減っている。自販機をタスポ仕様に改修するには、自販機の管理者の自己負担が数万円〜10万円かかる。なのにカードを持っている人がすぐ増えると予想できなかったので、自販機を手放したのだ。昨年末まで全国に52万台あった自販機のうち、この春6万4千台が、一斉に姿を消した。

 [その影響・3]
 自販機を切り替える費用が出せない、小規模のタバコ店が廃業に追い込まれている。特に5月1日には、イッキに21道県で導入されたため、それを気に店をたたむところもイッキに増えた。無理して改修費を出しても、やはりカードを持っている人が少ないから、すぐ行き詰まるという予測もふまえてだ。特に高齢な経営者の店が多いという。新聞には「顔と顔を合わせた商売は、もう時代遅れなんだっちゃね」(宮城県仙台市)というタバコ店主のコメントも載っていた。


 空しさがこみ上げるばかりだ。未成年喫煙の抑止効果も期待薄な上に、自販機やタバコ店が大幅に減っていき、コンビニだけが「漁夫の利」を得る。タバコが買いにくくなる=喫煙者が減る、と歓迎する向きもあるが、この taspo 開発&導入に800億円以上かけた結果がこれだ、というのはあんまりではないか。

 この国の施策は、誰に、どこに、向いているのだろうか。


[追記]高校生がコンビニでタバコを万引きする事件が起きた。自販機で買えなかったからだという。最初に導入した宮崎県・鹿児島県の taspo 保持率は約30%。

posted by さとる at 23:15| 理不尽なこと