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2008年05月10日

なぜか竹本孝之

 今年初めに買った『竹本孝之 ゴールデン☆ベスト』を最近ひんぱんに聴いている。とりわけ車で仕事に向かう時によく聴く。

 竹本孝之と言えば、最近では NHK「中学生日記」で2001年から6年間にわたって生徒の立場に立って考えようとする教員を好演していたことでイメージしてもらえるだろうか。今もドラマや映画に数多く出演している(公式サイトはこちらから)。


 もともとは男性アイドルとして、80年代にかなりの人気シンガーだった。1981年に「てれて ZIN ZIN」でデビュー、20曲近いヒット曲を持つ。

 この人の記憶は、そのデビュー当時にさかのぼる。自分が生まれて初めて「バー」なるものに入ったその瞬間、なぜか「てれて ZIN ZIN」がかかっており、緊張している中で聴いたそのサビが今も耳を離れないでいる。

 それ以降、時々彼の曲を聴いてもアイドル路線を脱してから、何曲かいい曲があるな、という程度で、大きなインパクトはなかった。長渕剛が作った「ビートルズの優しい夜」だけは、いい楽曲だなぁ〜という記憶が鮮明に残っている。


 ところがなにげに買った『竹本孝之 ゴールデン☆ベスト』。「ビートルズの優しい夜」を CD で聴きたくて、が動機だったのだけれど、1回アルバム全20曲を聴いた後、妙にまた聴きたくなる。2回聴けばもういいかなと思うとまたまた聴きたくなる。

 そのくり返しで、いつのまにか最近もっともよく聴くアルバムのひとつになってしまった。こんな言い方は彼に失礼なのだけれど、歌がうまいからなのだ。


 私の好きな、日本語をはっきりと歯切れよく発音する歌い方、そして何よりも、歌詞に気持ちがこもっている。アイドル時代のとんでもない歌詞でも、不思議とリアリティを感じる。

 例えば「頭 グルグル回して 気持ちグルグル回して はっきり言って魅力的だぜ」なんて歌詞をマジで歌えるってことだけで、私は才能を感じてしまう。どの音節も輪郭がくっきりしていて最後の「だぜ」が見事に決まる。

 青春とか、失恋とかといった、ひとつ間違えば月並みになるテーマも、彼らしい彩りを付けている。今では歌われなくなったテーマである、都会生活の寂しさ(群衆の中の孤独)などもさらりとしかしカッコよく表現されている。いいじゃん。


 デビュー曲「てれて ZIN ZIN」と次の曲「連想ゲーム」は、私の右脳ととんでもなく波長と「気」が合う馬飼野康二さんの曲。なるほど、私が心はずむはずだ。

 80年代後半の、ロックっぽくなっていく自作曲もなかなか聴きごたえがある。厳しい芸能界/音楽業界を、「自分らしく乗り切っていくぜ」と言わんばかりの骨太な詩に乗せて、パワーあふれるシャウトが聴ける。


 それにしても思うのは、この頃の曲は、アイドルであれシンガーソングライターであれ、「好きだ」とか「本気なのかい」とか「マジな俺さ」とか、ストレートな歌詞が多く、それを恥じらいなく気持ちを込めて歌っていたんだなぁ、と感じる。

 今、どうしてもひねりすぎた愛情表現の曲が多すぎる気がしてならない。たまにはシンプルさに戻ってみるのも新鮮なのではないだろうか。70年代〜80年代のアイドルには、その原点がたっぷりつまっている。

 こんな形での再発見は、音楽好きの冥利に尽きる。

posted by さとる at 00:00| 私を支える歌