無料 アクセス解析RMT

2008年04月04日

244ENDLI-x「I AND 愛」の闘志

 堂本剛と ENDLICHERI ☆ ENDLICHERI とが合流してできた 244ENDLI-x のアルバム「I AND 愛」は、まさにタイトル通り、「I」と「愛」に満ちあふれたアルバムだった。


 何しろ歌詞がストレートなのだ。「I love U」「Fall In Love」「Love is the key...」「愛している」「愛を叫べ」「愛から逃げなさんな!」……どの曲でも、切り口はもちろん変わるし、堂本剛流の不思議な例えもあるけれど、ストレートに「愛」を表現している。「H/E/N/T/A/I」まである。

 1曲目「朽ち果て」で、「この胸から 正義のメッセージ 捧ぐ」とテーマを提示した通り、強烈に、間に合わないかもしれないという切迫感を持って「愛」を訴える。「Help Me Help Me...」では、「嘘んだ社会が 笑顔で愛 殺す」時に、「きみなら どうするの?」とストレートに聴く者に問いかける。逃げずに闘えと迫る。

 さらに「愛 get 暴動 世界」では、情けも愛も死んだなんて台詞は葬って、勇者など待たず、自分で自分をそして人類を救え、世界に愛を取り戻すために暴動を(本人解説には「心の中で」とある)、とさえ歌っている。


 したがって、シングルと対照的に、アルバム全体としては重厚な感じさえある。相変わらず曲構成の複雑さやメロディの多様さは健在だけれど、テーマは圧倒的に強力にのしかかってくる。


 だが、堂本剛の歌い方は、決して肩ひじ張っていない。自然体に口をついて言葉が出てくるといった感さえある。

 特に「愛」を少し具体的に歌った「春涙」(妻に先立たれた初老の男性の気持ち)、「Silent love」(ベッドで裸で抱き合ってキスをする)、「H/A/P/P/Y」(きわめつけのラブソング)などの曲では、リアリティと、意識せずともあふれ出る彼の気持ちに満ちている。

 「まわりにある全ての愛を真剣に、今以上に考えてもらいたい」と彼は言う。抽象化されていても、日常や現実に裏打ちされているから、曲は私の中にしっかり入ってくる。


 ラスト15曲目の「Say Anything」は BONNIF PINK と詞を共作している(コーラスにも参加)。愛したいのに、「愛を川に投げ入れても、何も言ってくれない」、そんな虚しいものであっても、愛を投げ続けたい……。

 ものすごく強い意志を持って制作されたアルバムだと思える。それを言葉にし、音にし、声にし、ひとつの曲という世界にし、ひとつのアルバムという宇宙にしている。それゆえに誰にでも受け入れられるアルバムではないかもしれない。

 しかし、彼はそれでもいいから、まずは受け入れられる人から行動してほしい、と確信犯で創作したような気がする。


 そしてこのアルバムは別の角度から見ても「愛」にあふれている。とりわけインストゥルメンタルの曲を聴いていると、彼が音と遊び、音と戯れ、音とファックしている様子が目に浮かぶのだ。

 さらに Sankaku が歌う曲まである! この声はやはり堂本剛自身なのだろうか。音楽をとことん味わいつくしている。その音楽への「愛」が、アルバムを難しくもするけれど、身体で愛を感じさせてもくれる。


 「愛」への闘志。そう、「愛」への闘志。